汚泥処理とは

日々の生活で私たちは水洗トイレを使い、風呂の水を流し、洗濯機で衣服を洗い、台所では食器を洗います。
4人家族が出す生活排水量は、1日で500mlのペットボトル約2千本にもなりますが、生活排水は流してしまえば目の前から消えてしまうこともあって、排水処理、汚泥処理などの問題に対する人々の意識は決して高くありません。流した水は下水処理場に送られ、浄化処理を行い「水」と「汚泥」に分離されます。
浄化された「水」は再利用できますが、問題は「汚泥」で、この「汚泥」が地球環境破壊の一因となっていることは、残念ながらほとんど知られていません。

汚泥とは何か WHAT IS SLUDGE?

汚泥とは何か

汚れた水をきれいにするとは、汚水に含まれる水(H₂O)以外の不純物を取り除くということです。水に溶け込んでいる汚れを除去する方法として、広く生物処理(バイオ処理)法が用いられています。
生物処理は、微生物の酵素による反応を利用して水の汚れを分離する方法で、簡単に言えば水中の汚れが微生物のエサとなり、これを微生物が食べることで水と不純物を分離します。この生物処理で分離された水(H₂O)以外の部分が「汚泥」であり、この場合の汚泥は微生物とその死骸・代謝物などです。水をきれいにするためには微生物の働きが欠かせませんが、その副産物として水をきれいにすればするほど大量の汚泥が発生するのです。汚泥は産業廃棄物として処理されるもので、法律で適切に処理するよう定められています。日本での汚泥の排出量は年間1億7,084万トン(2019年度実績)にもなり、産業廃棄物の約4割を占めています。

汚泥濃縮機・汚泥脱水機ができること WHAT CAN SLUDGE DEWATERING MACHINE DO?

汚泥濃縮機・汚泥脱水機ができること1

生物処理で発生する余剰汚泥は通常 99%以上が水のため、そのまま焼却や埋立て処分を行うと多額の費用がかかります。この汚泥を出来るだけ濃縮・脱水し、汚泥の嵩を減らすことで処分費や環境負荷を削減するのが汚泥濃縮機や汚泥脱水機の大きな役割です。汚泥脱水機は汚泥を固液分離することで嵩を減らすだけではなく、脱水後の汚泥形状がケーキ状になるため、その後の運搬取扱いや処分を容易にすることができます。汚泥濃縮機も基本的な役割は同じですが、嵩を減らした後の汚泥形状は液状で、液状の方が処理後の取り扱いが容易になる場合には有効です。汚泥の濃縮や脱水によって分離された水は廃水処理工程に戻され、処理された後に河川などに放流されるので自然のサイクルに戻すことが出来ます。

汚泥濃縮機・汚泥脱水機ができること2

一方、汚泥は最終的に埋め立て処分や焼却処分される場合が多く、汚泥濃縮機や汚泥脱水機で如何に適切に汚泥を減容できるかが、環境保護の観点から、また持続可能な社会の実現のためにも非常に重要です。一般的に余剰汚泥の減容率は汚泥濃縮機で約88%以上、汚泥脱水機で約95%以上です。

汚泥脱水機ヴァルート™の特長 ADVANTAGES OF VOLUTE™ DEWATERING PRESS

汚泥脱水機ヴァルート™の特長

汚泥は廃水処理を行う全ての場所から発生する産業廃棄物です。そのため汚泥脱水機は、公共下水処理場はもとより、各国の法令で定められた一定量以上の廃水を排出する工場や農場などにおいても広く使用されています。汚泥脱水機には様々な方式が存在しますが、主にベルトプレス式、遠心分離式、フィルタープレス式、スクリュープレス式に分類されます。当社の汚泥脱水機はスクリュープレス式の改良進化版と位置づけることができ、どの方式でも欠点となっていた「濾過部の目詰まり」を機械的に防止する機構や、低濃度の汚泥を直接脱水可能とした点などが特長です。特に「濾過部の目詰まり」 を機械的に防止する機構によって、「省エネ性」「維持管理性」が従来方式よりも大きく向上しました。また、従来方式では実現が困難であった超小型設計を実現したことで、これまで汚泥脱水機を導入する経済的合理性が見いだせなかった規模の自治体でも脱水機を導入できるようになりました。

例えば、ヨーロッパの人口5,000人以下の規模の自治体では移動脱水車を手配し、週に一度などの頻度で脱水することが標準となっています。または、処理量過多の従来品をやむを得ず導入し週に一度等の頻度で脱水しています。しかし、それでは排水処理に戻す脱水ろ液の中に含まれる窒素の量が一度に多く戻ってしまうため、微生物とのバランスが崩れてしまい、維持管理効率が大幅に悪化します。この様な問題を抱える下水処理場を管理する自治体の規模は小さいため、社会的な問題として認識されることはありませんでした。しかし、ヴァルート™という極小サイズの脱水機の導入で、汚泥を不必要に貯めたりせず、発生したその場で脱水できるようになり、排水処理維持管理の安定とコスト削減が可能となりました。超小型機種を製作するメーカーは世界でも 稀で、汚泥脱水機ヴァルート™の優位性のひとつとなっています。

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